黒トンボの寿命とハグロトンボを捕まえないほうが良い3つの大切な理由

スリムで黒い体を持つハグロトンボは、舞うように飛ぶ姿が幻想的で、初めて目にする人々を魅了すること間違いありません。
その美しさに心を奪われ、「捕まえてみたい」と思う方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、ここで一旦立ち止まってください。
ハグロトンボは、捕まえたり、追いかけたりすべきではないのです。
成虫のハグロトンボの寿命は2~3ヶ月程度ですが、幼虫(ヤゴ)の期間は1~2年と長いのです。
これは意外に長いと思われるかもしれませんね。

トンボは非常に活動的で、動き回る獲物を捕まえる習性があるため、カブトムシやクワガタのように容器(虫かご)で育てるのは難しいです。
お子様がいる場合は、ヤゴを見つけてあげると喜ばれるかもしれません。
そして、ハグロトンボを捕まえるべきでない他の理由もあるのです。
3つ紹介していきますね。

黒トンボを捕まえない理由①:種類と寿命、基本的な情報

ハグロトンボは、トンボ目・カワトンボ科・アオハダトンボ属に属しています。
成虫の体長は約57〜67mmで、一般にメスの方がオスよりも少し大きめです。
オスは緑色がかった美しい光沢を持つのに対し、メスは光沢のない黒褐色が特徴です。

上記の添付された写真を見れば、オスとメスの見分けがつきます。
写真にはオスのハグロトンボが写っており、特にその細長い腹部がエメラルドグリーンに輝いているのが分かります。

ハグロトンボの寿命は成虫では2〜3ヶ月ほどですが、ヤゴの状態では1〜2年生存することもあります。
成虫は主に春から秋に活動し、ヤゴは冬を越します。

日本全国に広がるこのトンボは、特に本州、四国、九州の河川や用水路付近でよく見かけられます。
また、住宅地でも時折見ることができます。

ハグロトンボの絶滅の可能性と生息域の減少について

ハグロトンボの現在の保護状況について調査したところ、地域によっては絶滅の危険に直面していることが明らかになりました。
2023年11月の時点でレッドデータブックを見ると、東京では絶滅危惧Ⅱ類に分類されており、神奈川では要注目種とされ、青森では希少種のCランクに位置づけられていることが判明しました。
これは、生息地の減少や環境の変化が、ハグロトンボの生存に影響を与えていることを示唆しています。

ハグロトンボは他のトンボに比べて飛行速度が遅く、蝶のようにゆっくりと飛ぶ特性を持っているため、捕獲されやすいという特徴があります。
個人的な経験からも、道路などでよく見かけることがあり、これは彼らの移動速度の遅さに起因すると考えられます。

このような特性は、絶滅へのリスクを高める可能性があります。
この美しいトンボを未来にも伝えていくためには、自然環境の保護が重要であり、ハグロトンボを捕獲することは避けるべきです。

黒トンボを捕まえない理由②:ハグロトンボの生態について

ハグロトンボの成虫は、5月から10月にかけて観察することができます。
他のトンボ種と比較して、成虫が見られる期間が約1ヶ月長いのがハグロトンボの特徴です。

このトンボは、水辺にある植物の葉上で交尾を行い、水草や藻に卵を産みます。
卵は2〜3週間で孵化し、ヤゴと呼ばれる幼虫の状態で冬を過ごします。
ヤゴの期間は1〜2年と、トンボの中では長いほうに属します。
そのため、ヤゴは一年中見ることができ、特に秋には前年に孵化したヤゴが多く見られます。

春から夏にかけての羽化期には、若いハグロトンボは一時的に水辺を離れ、暗い森林地帯で生活します。
成熟した個体は再び水辺へ戻り、産卵して次世代へと生命を繋げます。

ハグロトンボの飼育を考えるなら、ヤゴの世話が最適

ハグロトンボのヤゴは、通常のヤゴに比べてより細長く、大きさはだいたい3cm程度になります。
ヤゴは肉食で、小型の動物如くアカムシ、ミミズ、ミジンコ、オタマジャクシなどを食べるため、小魚を飼育している人々にとっては、時折天敵として認識されることがあります。
しかしながら、トンボの飼育に興味がある方にとって、ヤゴは適した選択かもしれません。

ヤゴに与える餌は、アカムシやミジンコなど、熱帯魚店で手に入れることができます。
生餌を好むヤゴですが、冷凍されたアカムシを解凍し、ピンセットで動かしながら与えると食べることがあります。
ハグロトンボが成虫になったら、できるだけ自然に戻してあげることが望ましいです。

ハグロトンボの成虫を育てることは難しい

ハグロトンボの成虫の期間は、2〜3ヶ月と比較的短いです。
トンボは、ハエや蚊、アブなど飛んでいる昆虫を空中で捕食する習性があります。生きた昆虫を常に準備するのは難しいですし、ハエや蚊を捕まえてトンボがいるケージに入れても、トンボが自由に飛び回るための十分なスペースを確保するのは容易ではありません。

トンボは幼虫の頃から、人間や農作物に害を及ぼす昆虫を食べてくれるので、役に立つ昆虫(益虫)として重宝されています。
最近は、オニヤンマのブローチを身につけると他の昆虫が寄り付かないと言われ、虫除けとしての効果があるともされています。

トンボが害虫を食べることで作物の収穫量が増えるため、農家にとっては縁起の良い生き物であり、富の象徴としても見られています。
そのため、農家にとってトンボは大切な存在であり、捕獲することは避けるべきです。

黒トンボを捕まえない理由②:ハグロトンボの名前について

ハグロトンボという名前の「ハグロ」という部分は、羽が黒いことを指すわけではなく、実は日本の伝統的な「お歯黒」の習慣が由来とされています。
私が暮らす中国地方では「オハグロトンボ」と呼ばれることが多いですが、地域によっては「極楽トンボ」や「神様トンボ」「ホソボソトンボ」といった様々な愛称で親しまれています。

特に「神様トンボ」という名前は、ハグロトンボが羽を開いたり閉じたりする様子が、まるで神様に合掌しているかのように見えることからつけられたものです。
また、お盆の時期によく見られることから、ご先祖様の魂を導く存在だとも考えられています。
前進する性質を持つトンボは、「勝ち虫」として古来から戦の勝利の象徴として日本人に親しまれてきました。

神様の使いであり、ご先祖様を導く存在、勝利に向かって進むシンボルとしてのトンボは、その前進を止めないためにも捕獲してはいけないとされています。

まとめ

この記事では、ハグロトンボを捕獲しないべき3つの大切な理由をご紹介しました。要点をまとめますと、以下の通りです。

1、生息地の減少により個体数が減っている絶滅危惧種であるため、捕獲は控えるべきです。
2、成虫の寿命が短く、飼育に向いていないため、捕獲するのは適切ではありません。
3、神様やご先祖様の使者であると同時に、縁起が良いとされる存在なので、捕獲を避けるべきです。

さらに、ハグロトンボだけでなく、トンボは一般に「富の象徴」や「勝ち虫」として日本文化において幸運のシンボルとされています。
トンボを目にした際には、特別な生き物を見ていると感じ、幸運を感じることでしょう。
ですから、ハグロトンボを見かけたときは、捕まえることなく、優しく見守るようにしてください。

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この記事を書いた人
hoshi

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